人材開発支援助成金訓練にかかる諸経費や賃金の一部等を助成

人材開発支援助成金

最大1,000万円支給

正社員・有期契約社員等を教育訓練したら、国から助成金がもらえる!!

人材開発支援助成金・人材育成支援コースとは、正社員の方やパート、アルバイトなどの有期契約労働者正社員転換または処遇改善を目的として、事業主が計画に沿って訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
今年度から、今までの3コース(特定訓練コース・一般訓練コース・特別育成訓練コース)が統合されて、「人材育成支援コース」となりました。
※受給には要件がありますので詳しくはお問い合わせください。
①人材育成訓練
正社員労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練などを計画に沿って実施した場合や、人材育成制度を導入し労働者に適用した際に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
また、就業規則に「キャリアコンサルタント面談」を入れる等の条件あり。

OFF-JT分の支給額

対象となる訓練賃金助成
※1人あたり
の時給換算
賃金要件
満たす
人材育成訓練760円
(380円)
+200円
対象となる訓練経費助成
※1人あたり
の時給換算
賃金要件
満たす
人材育成訓練45%15%

※賃金要件とはすべての対象労働者が訓練終了日の翌日から1年以内に、5%以上賃金を上昇させること。※賃金改定前後3ヶ月間の賃金総額で比較

※1人1年間職業能力開発計画あたりのOFF-JTにかかる経費助成の限度額は、実訓練時間数に応じて下表のとおり。

対象となる訓練10~100時間未満100~200時間未満200時間以上
中小事業主150,000円300,000円500,000円
中小事業主以外100,000円200,000円300,000円
②認定実習併用職業訓練
事前に厚生労働大臣の認定を受けた、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練である実習併用職業訓練(認定実習併用職業訓練)を実施し、ジョブ・カードによる職業能力の評価を実施した場合の助成メニューです。

対象労働者

次の1.~3.までのいずれかに該当する15歳以上45歳未満の労働者であって、申請事業主に雇用される被保険者
  1. 新たに雇い入れた者(雇い入れた日から訓練開始日までが3ヶ月以内である者に限る)
  2. 大臣認定の申請前にすでに雇用されている短時間労働者であって、引き続き、同一の事業者において、通常の労働者に転換した者(通常の労働者への転換日から訓練開始までが3ヶ月以内である者に限る)
  3. 既に雇用する被保険者

なお、上記労働者1.のうち新規学卒予定者以外の者、2.及び3.の者は、キャリアコンサルタントまたはジョブカードを交付されること、また、キャリアコンサルティングの中で、認定実習併用職業訓練への参加が認められる者であること

③有期実習型訓練
正社員経験が少ない有期契約労働者等を対象に、正規雇用労働者等への転換を目指しOFF-JTと適格な指導者の指導の下で行うOJTを組み合わせて実施する職業訓練(管轄労働局長が訓練基準に適合する旨の確認を行った職業訓練)。
有期契約労働者正社員転換すると、経費助成が増額される(そのほか要件あり)。

対象労働者

いずれにも該当する労働者であること
  1. 有期実習型訓練を実施する事業主に従来から雇用されている有期契約労働者等、または新たに雇い入れられた有期契約労働者等で、以下のa・bいずれにも該当する労働者であること
  2. a.ジョブ・カード作成アドバイザー等により、職業能力形成機会に恵まれなかった者 [次の(A)または(B)に該当する者をいう] として事業主が実施する有期実習型訓練に参加することが必要と認められ、ジョブ・カードを作成した者であること
  3. (A) 原則として、訓練実施分野において、キャリアコンサルティングが行われた日前の過去5年以内におおむね3年以上通算して正規雇用(自営や役員など、労働者以外での就業を含む)されたことがない者であること
    (B) 上記(a)において訓練の対象外とされた者で、過去5年以内に半年以上休業していた者、従事していた労働が単純作業で、体系立てられた座学の職業訓練の受講経験が全くない者、あるいは、正規雇用であっても訓練実施分野において、過去5年以内に短期間(1年未満)での離転職を繰り返したことにより正規雇用の期間が通算して3年以上となる者など、過去の職業経験の実態などから有期実習型 訓練への参加が必要と認められる者であること
  4. b.正規雇用労働者等として雇用することを約して雇い入れられた労働者ではないこと
    有期実習型訓練の修了後に有期実習型訓練の評価結果に基づき、正規雇用労働者等への転換を検討することを予定して雇い入れられた労働者は除く

助成金が獲得できた事例※昨年度までの実績、今年度は助成額の変更あり

CASE1住宅メーカー(中小企業)※今年度だと「①有期契約労働者等を除く被保険者を対象」に該当

特定訓練コース・若年人材育成コース。新入社員研修60名・35時間・事業場外訓練・宅建士研修。

賃金助成

(60人×35時間)×760円=1,596,000円※1

経費助成
  • 受講料→60人×150,000円=9,000,000円
  • 教材費→60人×10,000円=600,000円

9,000,000+600,000×45%(助成率)=4,320,000円※2

助成金額1,596,000※1+4,320,000※25,816,000円

CASE2美容院今年度だと「①有期契約労働者等を除く被保険者を対象」に該当

特定訓練コース・一般職業訓練コース。新人研修・対象者2名・研修時間320時間・事業場内訓練。

賃金助成

(2人×320時間)×760円=486,400円

経費助成

上司が研修講師になるため、経費助成が受けられないケース。

助成金額486,400円

CASE3ITメーカー今年度だと「③有期実習型訓練」に該当

有期実習型訓練。OJT訓練・OFF-JT訓練・対象者3名。

OJT訓練

賃金助成(3人×382時間)×760円=870,960円※1
経費助成300,000円※2

OJT訓練

賃金助成(3人×43時間)×760円=98,040円※3

助成金額870,960※1+300,000※2+98,040※31,269,000円

今年度の改正ポイント!!

今年度では「生産性要件」が廃止になりました。それに代わり「賃金要件」「資格等手当要件」が新設されています。
「賃金要件」は、訓練終了日の翌日から起算して1年以内に基本給および諸手当を5%以上増加させることで助成金額が増えます。増額については、改定前3ヶ月と改定後3ヶ月の賃金総額で比較し、すべての労働者が5%以上増額している必要があります。
「資格等手当要件」とは、訓練終了日の翌日起算し、すべての対象労働者に対して支払賃金を3%以上増額させていることが必要です。
これらの支給申請期限は、要件を満たす賃金または資格等手当を3ヶ月継続的に支払った日の翌日から5ヶ月以内に「割増助成分」として支給申請とは別の申請となります。

Q&A

運送業で、従業員に中型免許や大型免許等を取得するため、自動車学校に通わせる場合は助成対象になりますか?
受講する労働者の職務との関連性があり、申請するコースの要件を満たせば助成対象となります。ちなみに普通自動車運転免許取得については、助成対象とはなりません。
教育訓練機関の受講案内に「人材開発支援助成金の対象になります」と書かれていますが、必ず助成金が支給されますか?
事前に厚労省が助成金の対象となることを保証することはありません。訓練を実施する事業所や訓練内容、対象労働者などにより、支給要件に該当するかを個別に判断する必要があるので、専門家に相談することをおススメします。
会社の休日に従業員に訓練を受けさせた場合、割増賃金を支払っていれば助成対象になりますか。振替休日をあらかじめ設定して、勤務日として予定を組んでいた場合はどうですか。
所定労働時間外・休日に実施した場合の割増賃金については、賃金助成の対象とはなりません。就業規則などで振替休日の規定があり、かつ、休日を振り替えていた場合(振替休日)は、定められた規則や法令を遵守することで、賃金助成の対象となります。
事業外訓練で、遠方の訓練機関で受講するため新幹線で移動し前泊する場合、交通費や宿泊費は助成対象になりますか?
交通費や宿泊費は助成対象とならず、訓練そのものに直接要する経費のみ助成対象となります。