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人事労務相談 2022/03/31 年次有給休暇について
年次有給休暇とは
年次有給休暇とは、半年以上継続して、かつ労働日の8割以上を勤務している労働者が、心身の疲労回復とゆとりある生活を得るため、有給で取得することができる休暇のことをいいます。
正社員、契約社員、派遣写真、パート、アルバイトなど、区別なく付与される制度ではありますが、派遣社員は派遣元の会社に有休の申請をしなくてはなりません。
【付与される有給休暇の日数】
●6カ月以上勤務・・・10日
●1年6カ月勤務・・・11日
●2年6カ月勤務・・・12日
●3年6カ月勤務・・・14日
●4年6カ月勤務・・・16日
●5年6カ月勤務・・・18日
●6年6カ月勤務・・・20日
計画年休を導入したい
【相談内容】
有休制度はあるのですが、社員の取得率が低くて悩んでいます。いっそ計画年休を導入しようと考えていますが、注意事項はありますか?
【回答】
計画年休とは、会社が社員の有給休暇の取得日をあらかじめ決めることができる制度のことです。
相談にもあるように、現状、有給休暇を積極的に消化する社員はそれほど多いとはいえません。しかも労働基準法で罰則も定められていて、違反した場合一人当たり30万円、10人いれば300万円にも達する可能性はあるので、もし摘発されようものなら笑い事では済まない問題だということが分かります。
<計画年休の付与方式>
①一斉付与方式・・・会社または事業所全体に付与。
②交代制付与方式・・・部署またはシフトごとに付与。
③個人別付与方式・・・個別に付与(誕生日有休や結婚記念日有休などユニークな考えもある)導入には注意すべき点もあります。
すでにある有休休暇の制度を変更するわけで、導入に際しては、労使協定を結ぶ必要があるとされています。会社の裁量で全て決めることができるわけではありません。
また、社員によって入社時期が違うこともあり、付与される日数も異なるための配慮や、そもそも6ヶ月未満の社員は有給休暇を付与する必要がないといった懸念もあります。中には「自主的に取得できる有給休暇が減る!」といった不満を漏らす社員もいるかもしれません。
ほかにも計画年休の日数は上限が定められていて、上記【付与される有給休暇の日数】のうち、5日を除いた日を労働者に取得させることができます。例えば有給休暇が12日ある場合なら7日、16日なら11日までを付与することが可能となっています。
計画年休を一方的に変更することは、労使協定で定められたことなので、原則認められません。使用者だけでなく労働者についても同様で、もし変更するならば、協定にある変更手続きの定め等に従って手続きする必要があります。
2019年、年5日以上の有給休暇を取得することが義務化された効果もあって、取得率は上がったものの、2020年の取得率は56.6%でした(※30人以上の企業4013社を対象に厚労省調べ)。計画年休は有給休暇の取得を加速させ、働き方改革の促進、社員のモチベーションアップ、経済効果など望むことができるとされています。しかし、制度導入には社内調整だけでなく、就業規則や労使協定など、専門的な知識を必要とすることも少なくないため、専門家に相談することも視野に入れた方がいいでしょう。
一斉付与方式で計画年休を実施するときの注意
【相談内容】
計画年休を一斉付与方式で実施するのですが、入社半年未満の社員に有給休暇を付与していません。こんなときはどう対応すればいいでしょうか?
【回答】
一斉付与方式で計画年休を実施したのなら、有給休暇の取得資格がない社員であっても、給料無しで休ませることができません。従って、会社が休業なら休業手当を支払う必要があります。反対に休業でないなら、出社してもらうことも可能です。この場合、通常業務は難しいかもしれませんので、業種によっては仕事に関する勉強させるといった会社もあるようです。ただし実際には、特別休暇など有給で対応している会社が多数を占めているのが実情です。
複数の社員が同じ日程の有休を申請してきた
【相談内容】
仲の良い複数の社員同士が、海外旅行にいくという理由で、同じ日程の有休申請をしてきました。受理すると工場の操業に支障を来す恐れがあります。このまま受理しないといけないのでしょうか?
【回答】
有給休暇の時季変更権は限定的ですが認められています。労働基準法35条では「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」とされています。さて今回の件では、「支障を来す恐れ」の程度によると思われますが、会社側で代替要員の確保が困難であれば、時季変更を求めることができると考えられます。
ワクチン休暇について
【相談内容】
新型コロナのワクチン休暇について、接種日、副反応など、どのように扱えばいいでしょうか?
【回答】
ワクチン接種は義務ではありません。しかし奨励する企業が多く、特別休暇ないし有給休暇で対応していることが多いですが、無給での休暇としている会社もあります。
厚労省では、①ワクチン接種や、接種後に副反応が発生した場合の療養などの場面に活用できる休暇制度を新設すること。②特段のペナルティなく労働者の中抜け(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認め、その分終業時刻の繰り下げを行うことなど)や出勤みなし(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認めた上で、その時間は通常どおり労働したものとして取り扱うこと)を認めること。これらを、職場における感染防止対策の観点から、休暇制度を新たに設けることが望ましいとしています。
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