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懲戒処分と解雇について

労働契約法第15条16条では「懲戒」と「解雇」について言及しています。
同法15条「~(中略)~ 当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」このとき懲戒は無効になるとしています。
さらに16条では解雇について。
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」
これらを踏まえ反対解釈してみると、「客観的」「合理的な理由」があって「社会通念上相当」である場合であれば、懲戒処分、あるいは解雇することができるということになります。一般的に「解雇」とは、懲戒処分の一つでしかありません。懲戒処分にはどのようなものがあるか?客観的とは?などについて一緒に考えていきましょう。


問題のある従業員への対応
「ハラスメントの相談を受け当人に注意をしたが改めない」
「理由もなくあるいは告げることもせず遅刻や早退欠勤を繰り返す」
「上役の指示に従わない、攻撃的な態度をとる」
問題行動といっても様々考えられると思いますが、最近このような相談が増えてきております。
当然ですが問題行動があったという事実だけで、解雇することはできません。先述の通り、「客観的」な事実として書証を残し、「合理的」な手続きで処理して、「社会通念上相当」と判断される場合にのみ「懲戒処分」をすることができます。

懲戒処分
懲戒処分は、就業規則に定めて労働契約書などで明示しておくことで、初めて効力が生まれます。懲戒処分について法令で明確な取り決めがあるわけではないですが、一般的には労働基準法などをもとに減給や懲戒解雇に至るまでの段階的措置として、以下のように定められることが多いです。
(1)戒告:書面によらない口頭での注意。
(2)譴責(けんせき):書面もしくは口頭での注意を行い、問題のある社員によって始末書を提出させる処分。反省、謝罪、改善を促します。
(3)減給:法令によると「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の1/10を超えてはならない」と定めています。
(4)出勤停止:俗にいうところの自宅謹慎。期間中の賃金を支払う必要がなくなりますが、就業規則で定めていなければ処分することはできません。
(5)降格:降格によって賃金を引き下げることもできます。
(6)諭旨解雇:会社が従業員に退職を勧告する処分になります。通常2番目に重たい処分で、退職届を提出させてから解雇します。一連の手続きがあるため、退職金も規定通り支払われ、解雇された人間は再就職の履歴書に「一身上の都合」と書くこともできるのです。
(7)懲戒解雇:一番重たい処分。「労働者の責めに帰す事由」に該当する場合には、解雇予告手当を支払わない場合や退職金を減額する場合もありえます。

これらの処分は、訴訟に発展することも少なくありません。特に給与に関わる「減給」より厳しい処分で裁判にでもなれば、その妥当性はもちろんのこと、判例によれば「社内の周知が不十分だった」「始末書など客観的事実が不足していた」といった、客観性に着目して、懲戒処分が不当だったと判断することもあります。不当処分であれば無効とされることもあるので、処分を検討するのであれば専門家とよく相談し、慎重を期すことを強くおすすめします。

処分する前に
大前提として、懲戒処分となってしまう前段階、トラブルに対処することがとても重要です。人間2人集まれば争いが起きる、3人集まれば派閥ができるといわれるほどです。口頭での注意や始末書で沈静化すればいいのですが、発生したトラブルに早い段階で対処することで、より重大な問題となることを未然に防ぐことができるかもしれません。仮に懲戒処分まで発展してしまったとしても、就業規則に則って処分することで、結果的に働きやすい環境を維持することにつながるのです。また、問題行動のあった従業員も、新天地で自分にあった仕事に巡り合うこともあるでしょう。結論、社会的にも経済的にも良い循環を生み出すことができるかもしれません。

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